直線上に配置

トップ アイコン
トップページヘもどる

直線上に配置
正解・・・・

「天国」と言ったのが間違いです。

 最近では、仏式の葬儀や法事に於いても、それなりの経験や教養のありそうな方でもさほど気にせずに「天国」という言葉を多用しているようです。しかしながら、「天国」は、キリスト教やイスラム教などの一神教に固有の単語であり、観念でもあります。

さて、人は死して何処に行くのでしょうか?
仏教では、「六道輪廻(ろくどうりんね)」と言って、天・人・阿修羅・地獄・餓鬼・畜生という6つの世界を、前世の煩悩に応じて生まれ変わり死に変わりを繰り返すと考えています。煩悩によって、六道に縛り付けられている訳です。そして煩悩が無くなれば六道から開放されます。これを解脱(げだつ)とよび、解脱すれば涅槃(ねはん)という状態に達します。もしくは、解脱せずとも、本尊の本願力によって浄土に生まれ変わるという考え方も、日本の仏教ではとても大切にされてきました。特に阿弥陀仏の「極楽浄土」は有名です。 しかし、一神教ではない日本人が「天国」に慣れ親しむ一方で、キリスト教国の欧米人が、Reincarnation(リインカーネーション:転生)という言葉を使いだしたのは面白い現象です。
 因みに、中村元先生の「仏教語大辞典」に唯一載っている「てんごく」という単語は「諂曲」でした。諂曲(てんごく)=「媚びへつらう」という意味です。
「講堂」ヘもどる
クリック!